「日本は治安が良くて安全だ」と一度は耳にしたことはありませんか?海外を渡り歩きましたが、確かに日本は安全だと思います。ですが、日本だけにいると、日本と海外の”当たり前”が全く異なることに気づけません。日本での当たり前が海外では、スリの対象となることが多くあります。
そのため、観光地では観光客を狙った盗難などの犯罪が多発しています。逆に、観光地ではない住宅地や田舎では少ない傾向があります。”人が多いから”安心とは思わずに、「観光地であっても危険が潜んでいる」ということを前提に、対策していくことで自分と仲間を守ることができます。
目次
バックを体の前で持つ
効果的な理由とは
一番聞き馴染みのあるフレーズかもしれませんが、一番重要で効果的な対策なため最初に紹介します。
「バックを体の前で持つ」ことはなぜ効果的なのでしょうか?
それは、バックを後に背負っていると、いつ盗難されているか気づけないからです。そこで、バックを前に持ってくることで、いつでも気づくことができます。そもそも、スリをする側の気持ちを考えてみると、前に持たれてしまうと犯行がばれてしまうため、犯行に及ぶことすら困難になってしまいますよね。
イタリアでの盗難被害の実体験
ここからお話しすることは、イタリア旅行中に盗難された実体験になります。
初海外の友人との旅行が後半になったころ、駅からホテルへの移動中に、恐れていた事態が起こりました。
事態が起こる前までは、私が友人へ「移動中はバックを前に」と、常々注意喚起をしていたこともあり、友人はバックを前にしていました。
ところが、初の海外旅行に慣れてきたこともあり「盗難される気配がなないし、バックが前だと動きにくい」と友人はバック(リュック)を後ろに背負って、駅からホテルへ移動しました。もちろん、私は「前で持つように」と伝えましたし、私自身は前に持って移動しました。
と、ホテルに着いてチェックインのためにパスポートを取り出そうとしたとき!!
「バックが空いている…。リュックの中に入れていたサイドバックがない」と友人は青ざめた顔でショックを隠し切れず動揺していました。
盗まれたサイドバックには10ユーロ(当時レートで1300円)ほどしか入っておらず、最小限の被害ですみました。「不幸中の幸いだった」と安堵した瞬間、全身の緊張感がほどけたことを今でも思い出します。
これを境に、友人は旅行の最後までバックを後へ背負うことはありませんでした。
このような実体験から、犯行現場を振り返ってみたいと思います。すると、盗難するための条件が揃っていたのかもしれないことがわかりました。
・駅からホテルまでの道が石畳なため、キャリーケースで「ガタゴト」と大きな音が響いていた。
・人込みだった。
・リュックを後ろに背負っていた。(リュックは巾着タイプ)
今思えば、駅をでたときから異変を感じていました。
・周りからの視線を感じる。
・若い子たちがスマホも見ずに周りに座り込んでいる。
このように、真横が盗難の犯行現場であったにもかかわらず”気づくことすらできない”と実感しました。そして、犯行現場とならないために周囲の状況や異変に気付き、事前に認識した上で対策することの重要さを今まで以上に痛感しました。
同じような被害に合わないために、私の小さな経験を役立てていただければ嬉しいです。
服・バックのポケットは何も入れない
日本に住んでいると、財布や携帯を服のポケットやバックの外ポケットにいれているのは、当たり前の光景ではないでしょうか?
バックの外ポケットは、気づくことすらできずに盗まれてしまいます。服のポケットであれば、盗まれたらすぐ気づけるかもしれませんが、”パッ”と一瞬で取られて逃げられる可能性が高いです。そのため、海外ではバックの中にしまって持ち歩くようにしましょう。
海外の友人が日本を訪れた際に「バックの外ポケットに財布や携帯を見えるように持ち歩くのは安全な証拠だね!これは日本ならではの光景だ!!」とよく言われます。日本が安全な国であることを実感した一方で、盗みが多い海外の国から見たら、「どうぞ、盗んでください」と言わんばかりな状況ということに注意してください。
観光客ではなく、現地民を装う
観光地でキョロキョロと周りを見すぎると標的にされてしまう可能性が高まります。とは言え、「観光しに来たんだからキョロキョロしちゃうよ」って思いますよね。あくまでも、国外からの観光客ではなく、現地民かのような振る舞いをすればよいのです。
私なりに現地で心掛けていることを紹介しますので、できそうなことから取り入れてみてください!
・ゆとりのある行動:せわしなく行動するのではなく、ゆったりと時間にゆとりのある行動を心掛ける。
・服装や持ち物:都市の移動後はキャリーケースをホテルに置いて、なるべく身軽な服装・持ち物で観光。
・お土産:お土産袋をぶら下げる際は、ホテルへ帰る前に買う。昼間に買う際は、お土産袋ではなく、エコバッグバックを持ち歩く。
荷物から離れない
荷物を放置して行動するのはやめましょう!!特に、お手洗いやホテルの受付、チケット購入など“荷物から目が離れるその一瞬”を、スリのプロたちは狙っています。
・複数人の場合:荷物番を変わりがわり見るのが有効でしょう。
・一人の場合:すぐに取られても反応できるように、体の前に荷物が見えるように置くなど工夫しましょう。キャリーケースに腕を通した状態に常にしておくなど
また、日本であれば、落とし物や置き忘れをしても、無事に手元に帰ってくることがほとんどでしょう。ですが、海外の場合は一度手放したものが帰ってきたらラッキーという感覚なので、大切なものは身体から離さないように注意しましょう。
話しかけられたら要注意
突然向こうから話しかけてきたら危険かもしれません。善意で助けてくれる人もいますが、盗もうとしている人や、高値で売ろうとして来る人も実際にいるので少し疑った方がよいかと思います。
よくある手口
・一人が話しかけてきて、背後にいる仲間が物品を盗みます。話していることに夢中になっている隙に、周りに隠れている複数人の仲間が盗もうと様子をうかがっています。
・いきなり日本語で話しかけてきて、「日本との友情の証だから、フリー(無料)であげる」と言いながら、勝手にミサンガを結ばれたり、花など何かを一方的に渡してくる→受け取ってしまうと、お金を請求してくる
・入場券やお土産などを売りにくる。「優先レーンで安く入れる」などといって実際に騙されたことがあります。観光客はその国の相場がわからないので、高値でも買ってしまいます。入場券や同じ商品をお店で見たら2倍なんてことも!
対策
対策をしていると、最後に悪口を言われることがありますが、被害に合わなくてよかったと毎回思います。対策のコツは、“相手に無駄な時間を使わせる”ことです。自分のことを諦めて、次のターゲットを探しにいく可能性が高まります。
・周りに警察がいる際は、その方向に走って逃げるとついてきません。事前に周囲を確認しておくことで、被害に遭遇しても冷静に判断できます。
・周りのお店に逃げ込む。お店の店主さんに追い出されるのでついてきません。
・「日本人ですか?日本が好きです」っていきなり話しかけられた際は、中国人や韓国人だと伝えます。すると、相手は間違えたことに気まずくなり、話を中断することが多かったです。中国語や韓国語が話せなくても、相手も何を話しているか理解できないので問題なし!
・話しかけられたり、人混みに入る際は、バックを胸の前に移動させておくこと。
・旅行先の言語や英語がまったく話せないフリを演じます。あえて、日本語での返事や、「I can’t speak English」を伝えて、話せないアピールを繰り返すことで、理解されないと相手が諦めてくれます。
見極めるポイント
必ずしも安全とは言い切れませんが、話しかけられても安心できる人を見極めるポイントを紹介します。
・話しかけてきた際に、あの手この手とどうにか話そうとして来る人:本当に話したいのであれば、周りの人に通訳を頼んだり、様々な手段を講じて諦めず話そうとするからです。
・写真撮ってと相手から言われて、相手の携帯を先に渡してくる人。安全なポイントとしては、盗みたいのであれば、まずあなたたちの写真を撮ると言って、携帯を渡したら逃げることができるためです。ですが、最後に盗まれることがあるので油断は禁物です!
・歩きながら話しかけてきて、立話にならない人。挨拶のように声をかけただけなので、すぐに立ち去ってしまいます。もちらん、こちらから話を振れば丁寧に対応してくれます。
日本と海外の価値観の違い
このようなことが起きる理由は、全てではありませんが、多くの国で当てはまるのが”文化の違い”が関係していることが海外の友人と話していてわかりました。
・日本:困ってる人がいたら、周りの人が察して助けるために話しかける。
・海外:困っている場合は、その人自ら周りに声をかけて助けを求める。声をかけられたら助けるため、周りの人から話しかけることが少ない。
「私たちから助けを求めるのは恥ずかしいし、助けてくれないのでは?」と日本にいると思うかもしれません。私も何度も経験しましたが、道に迷ったとき、食事のメニューの内容がわからないときなど、こちらからHelp!を求めると、親切な対応で助けてもらいました。
私のつたない英語や、母国語しか通じない地域であったとしても、英語や日本語がわかる人を見つけてくれたり、ジェスチャーや地図を書いてくれました。そして、何とか話を伝えようという想いに心が温かくなりまし♪♪。
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